福井県知事と関西広域連合首長へ要望書を送付 パルシステムは大飯原発再稼動に反対します

2012年6月1日

パルシステム連合会は6月1日(金)、福井県知事および関西広域連合に参加する9府県市の首長あてに「関西電力大飯原子力発電所の再稼働に関する要望書」を送付しました。大飯原発再稼働へ反対するよう要望します。

大飯原発の再稼動中止を脱原発の第一歩に

関西広域連合は5月30日(水)、関西電力大飯原子力発電所3・4号機の再稼動に関して条件付きで政府に最終判断を委ねるとする事実上の再稼動容認を声明で発表しました。政府が再稼動を判断すれば、5月5日(土)に国内すべての原発が止まってから最初の再稼働となります。

パルシステムでは、安全性の確保も不十分なまま国民の不安の声も無視した再稼動を強行することに反対しています。そのため関西広域連合の発表を受け6月1日(金)、福井県知事および関西広域連合の9府県市の首長宛に「関西電力大飯原子力発電所の再稼働に関する要望書」を送付しました。

送付先は次のとおりです。

福井県  西川 一誠知事
滋賀県  嘉田 由紀子知事
京都府  山田 啓二知事
大阪府  松井 一郎知事
兵庫県  井戸 敏三知事
和歌山県 仁坂 吉伸知事
鳥取県  平井 伸治知事
徳島県  飯泉 嘉門知事
大阪市  橋下 徹市長
堺市   竹山 修身市長

 

以下要望書全文です。

 

2012年6月1日

関西電力 大飯原子力発電所の再稼動に関する要望書

パルシステム生活協同組合連合会
理事長 山本 伸司

 

私たちは関西電力大飯原子力発電所の再稼動について以下のように考えています。私たち国民の安全で安心できる暮らしのために、子ども達の未来のために、大飯原子力発電所の再稼動に反対してください。

  1. 東京電力福島第一原子力発電所事故はまだ続いています。
    事故から一年以上が経過しましたが、いまだ福島第一原子力発電所は不安定なままであり、地震が起きるたびに心配せざるを得ない状況です。周辺海域の魚からは規制値を超えるセシウムが検出され、原発周辺地域の住民は故郷に帰る目処もなく仮設住宅で暮らしています。福島第一原子力発電所事故はまだ続いています。また事故調査も、原子力規制庁の法案審議も始まったばかりです。事故の収束には程遠く、なんの検証もされていない段階で、安全を犠牲にして原子力発電所を再稼働させることに多くの国民は憤りを感じています。
  2. 多くの国民が再稼動に反対し、夏の節電に向けて準備を進めています。
    最近の世論調査では、国民の半数以上が再稼動に反対しているとの結果が出ています(※)。また国民の間には夏の節電に向けた機運が高まっています。関東圏に住む私たちも、各家庭や事業所でのいっそうの節電を呼びかけています。多くの企業が工場やオフィスなどの節電・ピークカットに向けた準備を進めています。多くの国民が再稼動に反対し、節電に向けた準備を進めていることを忘れないでください。

    ※大飯原発の運転再開に反対 54%(5月19-20日:朝日新聞調査)
    定期検査で停止している原発の再稼働に反対 56.3%(5月26-27日:共同通信社調査)

  3. 安全対策すら完了していない原発を再稼動させることは危険です。
    政府は、関西電力の中長期の安全対策の工程表をもって「安全基準に概ね適合していると判断した」としていますが、対策が必要とされる85項目のうち、現時点において52項目しか整備されていません。東日本大震災で明らかになったように、日本列島は地震活動の活性期にあり、どこでも大地震の可能性が高まっています。多くの未実施項目がある行程表をもって再稼動を認めることは危険です。
  4. 再稼働の前提となる今夏の電力需給予測について評価が分かれています。
    今夏の電力需給について、不足するという試算がある一方、猛暑であっても電力は十分足りるとする有識者の意見もあります。根拠不十分なまま、再稼働を容認することなく、政府や電力会社に正確な情報の開示を求めるともに、消費者・市民と情報を共有してください。

 

以上