食品における放射性物質の規制値はいかにあるべきか? 「暫定基準見直し」を国まかせにせず、「公的基準」の考え方と物差しづくりを、4団体共同で進めます! 「食品と放射能問題検討共同テーブル」を開始します

2011年11月21日

パルシステム生活協同組合連合会
株式会社 大地を守る会
株式会社 カタログハウス
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会

【主旨】

  1. 3.11東日本大震災直後に発生した東京電力福島第一原発の事故は、広範囲にわたって大地や海を汚染しました。一部食品から高濃度の放射性物質が検出され、生産者も消費者も大きな混乱に陥りました。しかも国が設定した暫定基準は、不幸にも国民の信頼を得るものとはなりませんでした。ただ流通・販売者が当面の判断として受けとめたことと、測定結果の情報公開が伴ったことにより、混乱への一定の歯止めとしては機能したと言えます。
  2. しかし事故から8ヶ月が経過した今日、暫定基準は未だ「暫定」のままであり、流通・小売業界ではそれぞれに消費者に対する流通責任を明確にすべく、自主的な判断基準を設定する方向で推移してきました。これはまさに「公」の基準が国民に信頼されていないことを示しているものに他なりません。
  3. 私たち4団体もまた“適正な基準と情報開示”のあり方を模索してきたものですが、いま求められているものは、生産者・消費者の選択に貢献できる適切な情報提供であり、行動の支えとなる考え方と科学的知見の整理であり、国民レベルでの放射能に対するリテラシー・判断能力の向上に寄与する「指標」の提示だと考えます。不安の中で収穫を続ける生産者にも、日々食材の選択を迫られている消費者にも、共通の指針となるものが一刻も早く示される必要があります。
  4. 今般、厚生労働省はようやく暫定基準の見直し作業を開始しました。遅きに失した感は拭えないものの、これから進められる「公」の基準検討は、何としても広く国民(消費者・生産者)に信頼されるものにならねばならないと切に願うものです。本共同テーブルでは、厚生労働省の見直し作業の迅速化もあわせて求めていきます。
  5. 以上の認識に基づき、私たち4団体は、「食品に含まれる放射性物質の規制値(基準)」とはいかなるものであるべきか、を共同で検討する場を設定しました。この検討作業によって、放射性物質の規制値(基準)のあるべき姿を提示したいと考えます。それが「公」の基準検討を補完するものになれば幸いであり、あるいは対立するものになったとしても、国民レベルでの健全な議論に寄与するものとなることを確信し、検討を開始します。