3年目を迎えた軽米町とJAつくば市谷田部の原木取引 パルシステムのしいたけは食べれば里山が守れます

2010年11月22日

パルシステムでは、産直産地の岩手県軽米町の里山で発生する間伐材をJAつくば市谷田部(茨城県)のしいたけ原木に活用する取り組みを進めています。3年目となる2010年度は、11月から2011年1月にかけて3万本が届けられ、しいたけ原木栽培の継続と里山保全を図ります。

「肉厚でおいしい」と評判の原木栽培しいたけ

パルシステムと25年におよぶ産直取引を続けているJAつくば市谷田部は、毎年秋に開催している「収穫祭」でもおなじみの産地です。一般的な栽培ではおがくずに栄養剤を混ぜて固めた菌床を採用していますが、JAつくば市谷田部ではコナラやクヌギの原木に菌を植え込む方法で栽培しています。

パルシステムで取り扱うしいたけはすべて同産地で栽培される「原木栽培しいたけ」で、生協組合員からも肉厚でおいしいと好評です。

昨年の取引で積もった雪をかき落としながら積み込まれる原木

林業従事者の不足などから原木となるコナラやクヌギの量が減少しています。JAつくば市谷田部でも、しいたけ栽培に欠かせない原木の確保が課題となっていました。

木炭需要の減少で悩んでいた軽米の里山

原木の産地である岩手県軽米町は、米や青果の産直産地です。その一方でパルシステムの「までっこチキン」の生産者と連携し、鶏の飼育で発生する鶏ふんをたい肥として青果や米の生産に活用し、遊休農地を活用し飼料米を栽培することで資源を循環させる「耕畜連携」にも取り組んでいます。

林業も盛んで木炭生産は日本一の規模を誇っていましたが、エネルギーの電気やガスへの転換で需要は激減し、新たな活用を模索していました。そこで両産地と産直関係にあるパルシステムが、農産を取り扱う子会社の(株)ジーピーエスとともに仲介役を果たし、2008年度からしいたけ原木取引をスタートさせました。

しいたけ生産者も里山を訪問し状況を確認しています

将来は10万本の取引実現をめざします

しいたけ栽培用の原木は、11月25日(木)を皮切りに2010年1月までの延べ10日、15台のトラックで納品されます。

JAつくば市谷田部では年間46万本の原木を必要としています。軽米町には8千ヘクタールもの里山が広がっています。両産地では、将来的には10万本の取引実現をめざしています。パルシステムでは今後も、しいたけ原木栽培の継続と岩手北部の里山保全を図るため両産地の原木取引を支援していきます。

届いた原木としいたけ生産者

 

【関連リンク】
パルシステムの「森林・里山保全」プロジェクト
岩手県北地域などで取り組まれている「耕畜連携」プロジェクト
軽米町とJAつくば市谷田部との「しいたけ原木取引」(社会貢献活動レポート)
軽米町との産直交流企画「産地へ行こう。雑穀王国!軽米へようこそ」を開催
JAつくば市谷田部(ファーマーズネット内)