輸入原料でも「国内製造」? 「正しい食品表示を求める市民の集い」
2024年5月30日
消費者・事業者・生産者が問題提起
パルシステム連合会が協力する「食品表示問題ネットワーク」は5月28日(火)、東京都千代田区の衆議院第1議員会館で「輸入原料で『国内製造』って何?正しい食品表示を求める市民の集い」を開催しました。消費者、事業者、生産者のほか国会議員も参加し、原料原産地表示制度の改善を求めて消費者庁の担当職員と意見交換しました。
問われる「商品を選ぶ権利」
意見交換会は、会場に200人、オンライン500人の計700人が参加しました。食品に表示されている「国内製造」を「原料原産地も国産」と多くの消費者が誤解している現状について問題提起され、活発な意見交換が行われました。
食品表示問題ネットワークの原英二さん(日本消費者連盟)は「現行制度は、国産原料を使用した商品を望む消費者の『選ぶ権利』を阻害しています。表示が是正されれば、消費者がほしい商品を正しく選ぶことができ、国内の農業振興や食料自給率の向上にもつながります。原料原産地表示の適正化を図るべきです」と意見し、消費者庁に検討会の設置を要望しました。
消費者や事業者、生産者それぞれの立場からも多くの意見が上がり、パルシステムグループからは、株式会社パルシステム・リレーションズの髙橋宏通社長、パルシステム連合会の野津秀男商品開発本部長、パルシステム東京の松野玲子理事長が意見しました。
そのほか、千葉県流山市議会が「消費者が安心して食品を選択できるための明確な表示を求める意見書」を提出した事例など、全国の活動も紹介されました。
閉会あいさつとして、あいコープみやぎの高橋千佳理事長は「消費者の選択する自由を奪われているのが食品表示であり、早急な改善を求めます。国内の食料自給率の低迷を打破するためにも正確な表示が必要です。ぜひ一緒にこの問題を解決していきましょう」と呼びかけました。
食品表示問題ネットワークは、食品表示制度の改善を求める消費者・生産者・事業者のネットワークです。