産地や取引先への贈呈式を実施 能登半島地震緊急支援募金
2024年3月7日
農林水産業や伝統産業の復興に活用
パルシステム連合会は、「能登半島地震緊急支援募金」で寄せられた募金の一部を被災した生産者など7団体への見舞金として活用します。このほど役職員が各地を訪問し、贈呈式を開催しました。募金は、のべ17万人あまりから約2億6千万円が寄せられ、見舞金のほか現地で支援活動をする9団体への支援金と、被災者への義援金として活用します。
被災した産地や取引先の贈呈式での言葉(訪問順)
- 石川県漁業協同組合 組合長 笹原丈光さん(2月28日)
輪島は、水産が主な産業なので大きな打撃を受けています。漁港はひどい所で4メートル近く隆起し、一時は全く機能しなくなりました。今は土砂のかき出しなどで港はおおむね整備されてきましたが、漁船の確保など課題は山積みで、特に高齢の漁師が漁を再開するのは厳しい状況です。船を出したがっている漁師が多くいるなか、もどかしい思いです。パルシステムの利用者からは「石川の魚をたべて応援したい」との声がたくさん届いていると聞きました。漁師のみなさんも涙を流して喜んでくれると思います。
- 株式会社橋本箸店 橋本卓也さん(3月6日)
工場の被害は比較的少なく、倒壊していたら廃業せざるを得ませんでした。従業員5人全員が無事だったのが何よりの幸いです。箸の原料となる能登産あすなろ材も被害はありませんでしたが、建物の修繕や被災証明書の発行申請に時間がかかっています。これからもパルシステムの利用者のみなさんに使ってもらえるよう、再開をめざします。
- 株式会社柚餅子総本家中浦屋 中浦政克さん(3月6日)
工場は建て直すか移転をせざるを得ない状況ですが、幸い従業員22人は全員無事でした。輪島は地域内の水道をはじめとするインフラの復旧や整備が遅れおり、再建は国の計画に沿って進める状況です。4店舗中1店だけ建物の倒壊を免れ、パルシステムで取り扱う「丸柚餅子」の冷凍在庫が奇跡的に残っていました。利用者のみなさんに届けられることを誇りに思っているので、一日も早く復旧したいと思います。
- アスパック株式会社 宮村尚さん(3月7日)
パルシステムの「産直じゃがいものサラダ」などパッケージに印刷する版の部品が地震で落下し、1,500本以上の傷がついてしまいました。発災当日に会社の様子を見に行った時は、途方に暮れてしまいました。暫定的に稼働を再開していますが、完全に復旧させるには買い替えが必要で1年程度はかかる見込みです。金沢市の工場付近は断水の被害などはありませんでしたが、まだ大変な状況の地域もあると聞いています。一歩ずつ前に進むしかありません。
- 有限会社中村海産 中村康紀さん(3月7日)
工場内の機械などには大きな損壊はありませんでしたが、パルシステムで届けている「からふとししゃもみりん干し」の原料冷凍倉庫内が荷崩れを起こしてしまい取り出せない状況です。富山の氷見市内は、水道管破裂による断水や液状化の被害はありましたが、幸い死者は出ていません。石川の輪島や能登の被害が大きいと聞き、私自身も取引先などに協力を呼びかけ物資提供などに奔走しました。被災によって注目が集まっている今こそ、商売を再開できる企業から率先して経済を回し、周りの人たちに恩返しをしていきたいと思います。
- 謙信の郷 金谷武志さん(3月15日)
上越はもともと地震が多発する地域ですが、発災当日は過去に経験したことのない揺れ方で、床がひび割れ、家屋内にも物が散乱しました。人的被害がなかったことが幸いです。壁や瓦が崩れてしまった生産者の家屋もあり、地下にある田んぼへの給水ポンプの被害状況も確認できていません。早めに試運転し、春の作付けに備えます。受け取った見舞金は住居や農業設備の再建、修復に活用します。今後も皆さんの期待に応えられる作物の生産を継続することで、恩返ししていけるよう頑張ります。
※訪問団体を追記しました(3月18日)