2産地が農林水産祭天皇杯・内閣総理大臣賞を受賞

2023年10月18日

令和5年度(第62回)農林水産祭が10月11日(水)に発表され、パルシステムと産直の取り組みを行なっているJAひろしまの「せとだエコレモングループ」が天皇杯園芸部門、「JAやさと有機栽培部会」が内閣総理大臣賞園芸部門を受賞しました。それぞれ、「皮まで食べられるレモン」の特別栽培や、地域資源循環型農業への取り組みが評価されました。

せとだエコレモングループ産地

JAやさと有機栽培部会産地

「皮まで食べられるレモン」

せとだエコレモングループ(代表:宮本 悟郎)は、消費者の安全・安心を重視したレモンの特別栽培に取り組むグループです。パルシステムでは、化学合成農薬をできるだけ使わずに育てた「エコ・チャレンジ栽培」を実践した、「国産エコ・レモン」を取り扱っています。
今回、化学合成農薬や化学肥料の使用を低減する独自の栽培手法により「皮まで食べられるレモン」の安定供給を実現した点などが評価され、園芸部門で天皇杯を受賞しました。

受賞理由(抜粋)
(1)特別栽培技術の確立 安定生産を基調として化学合成農薬・化学肥料の使用を低減した特別栽培に組織的に取り組み、独自の栽培基準や栽培管理手法を確立した。これにより、消費者の安全・安心志向に対応した「皮まで食べられるレモン」の安定供給を実現している。低温ハザードマップを活用し、収穫時期の寒波による被害を軽減する取組も進めている。
(2)安定的な販路確保と加工商品の開発 一般栽培に比べて加工仕向けの割合が高いため、食品メーカー等と連携して付加価値の高い商品を開発するとともに、量販店と連携した情報発信、周年出荷の取組、商標登録によるブランド力強化を図る等により販路の確保及び高価格での取引を実現することで、生産者が安心して特別栽培に取り組める環境を築いている。

エコ・チャレンジとは

新規就農と有機栽培を推進

JAやさと有機栽培部会(代表:田中 宏昌)は、パルシステムでは「産直こめたまご」「有機レタス」などを取り扱っており、たまごの学習会や子供向けの農作業・野菜収穫体験ツアーを行うなど、交流を深めています。
受賞に際し、生活面も含めた新規就農者へサポート体制や所属する全員がJAS有機認証を取得する点などが評価され、園芸部門で内閣総理大臣賞を獲得しました。

受賞理由(抜粋)
(1)研修機関との連携による事業規模の拡大 JAや市が設置する新規就農者の研修機関と連携して研修生に技術指導を行うほか、移住者が孤立することのないよう生活面も積極的に支援している。研修終了後はほぼ全員が部会に加入しており、事業規模の拡大を図るだけではなく、新規就農者の定着や地域コミュニティの形成にも貢献している。
(2)地域資源を活用した有機栽培 生産者の意識向上のため部会員全員が個人で有機JAS認証を取得することで、有機野菜の出荷先を確保している。また、地域内で家畜糞や落ち葉、稲わら等を調達するほか、放置された竹林の竹を粉砕・発酵させ堆肥化を試みるなど、環境に配慮した持続可能な地域資源循環型農業に取り組んでいる。

【JAやさと】有機レタスが作るもの「生協の宅配パルシステム 」(YouTube)

「農林水産祭」とは

農林水産祭は、国民の農林水産業と食に対する認識を深めるとともに、農林水産業者の技術改善及び経営発展の意欲を高めるため、農林水産省と公益財団法人日本農林漁業振興会の共催により昭和37年から実施されています。天皇杯、内閣総理大臣賞は、農林水産業の振興のため、特に業績のあった最優秀者に対して授与されます。

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