「電力小売営業に関する指針(案)」に対し政府へ意見 正しい情報提供で「選べるエネルギー」の実現を

2016年1月12日

パルシステム連合会はこのたび、政府が募集している「電力小売営業に関する指針(案)」へのパブリックコメントに対し、意見を提出しました。消費者への適正な情報提供と誤解を招きかねない表示の禁止を求めます。

電力小売全面自由化が2016年4月からスタートすることにともない、経済産業省の電力取引等監視委員会は、需要家(消費者など)への情報提供や営業・契約内容などの適正化をはかることを目的とした「電力小売営業に関する指針(案)」を公表し、パブリックコメントを募集しました。

これを受けてパルシステム連合会は、意見を提出しました。「消費者が電気を選べる社会」を実現させるためにも、電源構成の開示義務化など消費者への適正な情報提供と、誤解を生じかねない表示の禁止を求めます。

要求した項目は、以下の通りです。

 

  1. 電力小売事業者に電源構成の開示を義務付けるべきです。また、事業者の表示の状況を検証し、引き続き表示のあり方について検討を行うべきです。
  2. 消費者への情報開示は請求書等への記載も併用すべきです。
  3. 放射性廃棄物の排出量についても表示を義務化(推奨)すべきです。
  4. 「ゼロエミッション電源」表示は禁止すべきです。

 

パルシステムは、「協同の力」で生活者がエネルギーを選択できる社会を実現するため「エネルギー政策」を制定し、エネルギーの使用を「減らす」、原発を「止める」、自然エネルギーへ「切り替える」活動を進めています。

【関連リンク】
パルシステムのエネルギー政策

パブリックコメント全文(該当箇所のページ数などは省略しています)

パルシステム連合会では、パルシステムのエネルギー政策に基づき、電力小売自由化について、「消費者が電気を選べる社会」をめざして、積極的な取り組みをしてきました。これまで電気・電力会社を選ぶことができなかった消費に選択の権利が生まれることは、消費者としては歓迎すべきことであると同時に「さまざまな情報を判断し電気を選ぶ」という責任が消費者に生じることでもあると認識をしています。その立場から、標記の指針(案)の中で、「電源構成の開示」について意見を提出します。

1. 電力小売事業者に電源構成の開示を義務付けるべきです。また、事業者の表示の状況を検証し、引き続き表示のあり方について検討を行うべきです。

電源構成の開示は、「望ましい行為」ではなく、電力小売事業者の義務とすべきです。そのために、消費者に分かりやすい統一した表示方法を定めるべきです。
また、電力小売各社の表示の状況(表示の有無、表示内容、表示方法等)を調査・点検し、引き続き電源表示のあり方ついて検討すべきです。

2. 消費者への情報開示は請求書等への記載も併用すべきです。

消費者への開示方法については、ウェブサイトへの掲示だけでなく、請求書等への記載など直接消費者の手元に届くような通知の方法も併用すべきです。

3. 放射性廃棄物の排出量についても表示を義務化(推奨)すべきです。

二酸化炭素排出係数とともに「電力1kwhあたりの放射性廃棄物の発生量」の表示の義務化を求めます。
電源構成情報開示が「望ましい行為」となった場合には、「望ましい行為」に含めることを求めます。
また、それらの表示を可能にするために、放射性廃棄物の発生量の算出方法を定めることを求めます。

4. 「ゼロエミッション電源」表示は禁止すべきです。

原発、水力、再生可能エネルギーについて、ひとまとめにして「ゼロエミッション電源」とすることを可能としていますが、「ゼロエミッション電源」やそれに類する表示は禁止すべきです。

以上