「ネパール大地震緊急支援カンパ」8千8百万円が寄せられています 10団体に対し1次配分を決定しました

2015年6月16日

パルシステムが呼びかけているネパール大地震緊急支援カンパが、6月15日(月)集約時点で8,873万5,600円に達しています。そのうち5月までに申し込みのあった8,282万3,600円について、第1次配分として現地で活動する10団体に寄贈します。

被災者1人ひとりへ支援物資を手渡します(提供:AARジャパン)

倒壊した学校再建などに活用されます

4月25日(土)に発生したネパール大地震を受けて、パルシステムでは5月1日(金)から7月24日まで、被災者支援を目的としたカンパを呼びかけています。その結果、6月14日(日)時点で現金とポイントをあわせて8,873万5,600円の募金が寄せられました。ご協力ありがとうございます。

円滑な支援活動を継続するため、カンパ金のうち5月までに申し込みのあった8,282万3,600円を、第1次配分として支援活動を展開するNGOなど10団体に寄贈することとしました。寄贈先の団体名は、以下の通りです。

○ネパール大地震緊急支援カンパ第1次配分先

  • 認定NPO法人 シャプラニール=市民による海外協力の会
  • 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会
  • 認定NPO法人 チャイルド・ファンド・ジャパン
  • 一般社団法人 ピースボート災害ボランテイアセンター
  • 公益財団法人 プラン・ジャパン
  • NPO法人 アドラ・ジャパン
  • 認定NPO法人 難民を助ける会(AARジャパン)
  • 認定NPO法人 国境なき医師団日本
  • 公益財団法人 日本ユニセフ協会
  • 日本赤十字社

支援金は、それぞれの団体を通じ、生活に必要な物資の提供や倒壊した学校の再建、親を亡くした子どもたちの支援などで活用される予定です。

カンパは7月まで申し込みを受け付けています。

【関連リンク】
組合員のみなさま ネパール大地震緊急支援カンパご協力をお願いします

カンパ配分先NGO支援状況(一部)

◎シャプラニール=市民による海外協力の会

市内の中心地の広場ラトナパークに出来たキャンプ
(提供:シャプラニール)

・地震発生翌日に緊急救援活動実施を決定しました。発災直後はカトマンズにあるネパール唯一の国際空港が閉鎖されていたため、バングラデシュのダッカ事務所からインド経由の陸路でネパール(チトワン郡)入りして支援しました。チトワンから2名の日本人が入り、カトマンズへは空路で2名の日本人が入ってカトマンズ事務所長、スタッフと合流し、活動が本格化しました。多くの援助団体がネパールへ入る中でも、支援が届かない地域への支援を意識して活動を進めてきました。
・支援状況はこれまで、主に毛布約2,700枚、マットレス2,430枚、ビニールシート約1,900枚、食糧2,330世帯分を緊急救援物資として配布し、約5,400世帯へ支援ができました。
・カースト制度の残るネパール社会の中で阻害されがちなダリット(不可触民)の人々や寡婦、障害者へ支援が行きわたるよう意識をしながら、地域の行政、現地のNGOと協力して公平に配布を行ってきました。遠隔地だけでなく、比較的カトマンズに近い地域でもスポット的に支援から取り残されている村もあり、そういった地域へ必要な支援を届けるようにしてきました。
・また、児童労働削減の活動のパートナー団体であるCWINに集まった若者ボランティアのコーディネーション、管理の研修を得意とするNGOへの橋渡しを行いました。
・今後の活動 雨期が始まり、冬には厳しい寒さが待っているネパール。今後、中長期でどのような活動を行っていくかについて、被災地を訪れながら検討中です。

◎シャンティ国際ボランテイア会

カトマンズ郊外バクタプールの避難テントにて子どもたちから話を聞く
(提供:シャンテイ国際ボランテイア会)

・5月3日よりネパール政府からも優先地域に指定されている首都カトマンズの北西に位置し甚大な被害を受けたヌワコット郡にて、シート、マット、毛布、乳児用食料、ビスケット等100世帯に配布しました。最も困難な状況の子どもや女性や高齢者、障害を抱える人々を最優先に行ないました。ランタン・ヒマラヤの麓の高地は夜間には3度近く下がります。寒さと余震に震える人たちに、毛布を届けることができました。
・被害の甚大なヌワコット郡とラスワ郡での物資配布と調査からカトマンズに戻り、緊急の物資配布以降の復興、再建のため、倒壊学校の仮教室の建設計画を協力団体と調整をはじめました。その中で、宿舎から歩いて3分の少女売春、人身売買の根絶のために活動するマイティ・ネパールを訪問。創始者のアヌラダさんから地震の対応を伺いました。現在、地震で親を亡くした子どもたち200人以上を付帯する施設で受け入れていました。
・私たちは現在、震源地に近く被害の甚大でネパールで最も人身売買、性的搾取の深刻な郡でもあるヌワコット郡とラスワ郡で、倒壊した学校の仮校舎の建設を準備しています。今回の地震で100万人近い子どもたちが学ぶ教室を失っています。ネパールの人口の4割が子ども。ネパール政府は5月15日からの学校の再開を宣言していますが、調査したラスワ郡は95%の学校が倒壊しているとの報告もあります。
・6月の中後半からは雨季が始まります。雨季になれば道路が極めて劣悪な状態になります。学校が再開されれば、子どもたちも日常を取り戻し学ぶ機会の回復にも繋がります。そして人身売買や搾取から守り防げるかもしれません。学校の再開は時間との勝負です。仮設であっても教育の機会を作ることが村の復興、再建へと繋がると信じています。

◎チャイルド・ファンド・ジャパン

「チャイルド・センタード・スペース」でお絵かきを楽しむ子どもたち
(提供:チャイルド・ファンド・ジャパン)

・5月1日、シンドゥパルチョーク郡のパンゲタール村で、第一弾となる食料の配布を行いました。約800世帯に、米12kg、豆1.5kg、塩500グラムを配布しました。パンゲタール村の人々にとってはこれが震災後初めての食料配布となり、感謝の言葉を述べていました。
・5月22日より、第2弾となる緊急支援物資の配布を行っています。今回は、お米30kg、豆4kg、塩1kg、油2リットルと、防水シートを配布しています。今回の第2弾のドゥスクン村(約1,000世帯)では、配布場所を3ヵ所に分けました。1日目は、女性組織の建物を借りて約400世帯に、2日目は建設中の民家を借りて約250世帯に、3日目は学校の広場で約350世帯に配布しました。
・5月末からはシンドゥパルチョーク郡でチャイルド・センタード・スペース(CCS)の活動を開始しました。チャイルド・センタード・スペースは、被災地の子どものためにテントなどの形態で設置され、子どもたちの学びと遊びの権利を守り、こころと体の健康を支える場ですチャイルド・センタード・スペースは、被災地の子どものためにテントなどの形態で設置され、子どもたちの学びと遊びの権利を守り、こころと体の健康を支える場です。精神的なショックを受け、こころに傷を負った子どもたちへのケアにつながる遊びや活動が行われます。具体的には、歌を歌ったり、読み聞かせをしたり、お絵かきをしたり、ゲームをしたり、スポーツをしたりなどの活動です。また、地震後家族と一緒に過ごしていた子どもたちに「家族から離れても大丈夫」という気持ちを持たせ、今後学校に通うためのこころの準備をする場所でもあります。
・チャイルド・ファンドは、チャイルド・センタード・スペースの設置・運営を緊急支援の大切な活動と位置づけています。チャイルド・ファンド・フィリピンからチャイルド・センタード・スペースの専門家がネパールに派遣され、スタッフとボランティアに研修を行ったのち、活動が開始されました。
・6月の第1週中に、シンドゥパルチョーク郡の7ヵ所での設置を予定しています。また、ぬいぐるみやパズルなどが入った幼児教育キットはUNICEFから提供されており、協力して活動しています。

◎ピースボート災害ボランティアセンター

・シャプラニールの協力のもと実施しています。
・現地団体の一つで、1987年からネパールで子どもの権利擁護の活動を続け、広くネットワークを持っているChild Workers in Nepal Conerned Centre (CWIN)と協働することになりました。CWINは、児童労働の問題に取り組み、専門ボランティアを中心に子どもに関するホットラインの設置や移動カウンセリング、健康チェックなどを行っています。
・今回の大震災で、学校も大きな被害を受け、まだ開校できていない学校が多くあります。震災後以、CWINでは通常の活動に加えて、被災者への物資配布の活動も行っています。毎日200名以上のボランティアが集まり活動を行っていますが、それ以上のボランティア参加希望もあります。ボランティアは、何千もの支援物資の荷物おろし、仕分け、キット作りに奔走しています。
・しかし、マネージメントするスタッフの人数が足りず、参加希望のボランティアを断っている現状もあります。また、スタッフへのボランティア受付や登録の負担が大きく、安全管理にも課題があります。日本で言えば、災害ボランティアセンターの機能にあたりますが、もう少し組織化し効率的に活動が行えるようにできると感じました。ひとまず、スタッフと緊急時への対応を話し合い、その対策プランを作りました。
・国連人道問題調整事務所(OCHA)も子どもへのサポートを優先事項に上げていますが、学校の新学期が4月から始まる予定のなか、教材等も不足しています。その他の物資などに関しても、子どもへの支援が不足していると感じています。今後、PBVとしては子ども向けキットの物資配布やボランティアセンター運営のサポート、職員向けボランティアトレーニングなどを行っていく予定です。ネパールには、日本のような災害ボランティアセンターという仕組みはありませんが、PBVがこれまでに培ってきたボランティアコーディネーションの経験が活かせるのではないかと考えています。

◎ブラン・ジャパン

・4月28日に首都カトマンズでビニールシートと毛布を100セット、4月29日に中部のマクワンプール郡とシンズリ郡でビニールシート280枚を支給しました。
・ネパール政府をはじめとする各国の政府や民間会社などとの連携が功を奏し、空輸による山間部の地域への物資支給が可能になりました。プランは5月4日と5日には中部に位置するドラカ郡へビニールシート1400枚などの物資を空輸し、到着後ただちに地域の人々に配布しました。被災から10日以上が経過するなかで、深刻な被害を受けた山間部の地域の人々への物資支給は急を要します。
・カトマンズ盆地の地域5カ所で子どもにやさしいスペースを開設しました。子どもたちが日常生活を取り戻し、被災体験を乗り越えるうえで重要な役割を果たします。
・災害時には、子どもたちは見過ごされやすく、搾取や暴力の対象にもなりえます。地震の被害により多くの家族が屋外で生活しているなかでは、子どもたちは特にぜい弱な立場におかれます。今回開設された子どもにやさしいスペースでは、1000人近い子どもたちの利用が見込まれています。研修を受けたボランティア18名が運営を担い、ゲームや歌、ダンスやアートなど様々なレクリエーション活動を用意します。
・ボランティアはプランの専門家と連携を組み、専門的な心理的支援を必要としている子どもたちを専門機関につなぐ役割も果たします。また子どもだけにかぎらず、親や地域の人々が保健衛生、子どもの権利と保護の必要性について知る場所にもなります。さらに被災地域で100カ所の開設を目指して、調整を行っています。

◎難民を助ける会(AARジャパン)

支援物資は特に食料がよろこばれています
(提供:AARジャパン)

・ダーディン郡タサルプー村の山頂付近では、ほとんどの家が崩れていました(2015年5月5日)
・カウシレ・アリエルさんは地震発生時、農作業中で遊びに出かけていた子どもたちがとても心配だったと話していました。家族は無事でしたが、家は倒壊し、古いテントを張って寝ていました。
・カトマンズから車で4時間ほどの山間部にあるタサルプー村では、9割の家屋が損壊する大きな被害があったにも関わらず、支援団体は全く入っていませんでした。あるつぶれた納屋では、一家7人が寝泊まりしていました。
・支援活動では、被災者1人ひとりへ物資を手渡します。特に食料は不足していて大変喜ばれています。
・待ち望まれていたテント用の資材セットも手渡しています。