政府へ「原発事故子ども・被災者支援法」への意見を提出 施策の充実と復興庁の役割発揮を求めます
2013年9月20日
パルシステム連合会は9月20日(金)、政府復興庁に対し「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」について、意見を提出しました。被災したみなさんが幅広い支援を受けられる制度とするよう、復興庁の役割発揮などを求めています。
実態に沿った支援の充実を
政府復興庁は8月30日(金)、2012年6月に国会で成立した「原発事故子ども・被災者支援法」(東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律)に基づき「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」を発表し、9月23日(月)までパブリックコメントを募集しています。
パルシステム連合会は9月20日(金)に意見を提出しました。支援の適用範囲を福島県内に限定しないことや、被災したみなさんの実態に沿った施策の充実、意見や要望をすくい上げる機会の設定などを求めます。
【要旨】
- 被災者・避難者の要望を反映させる場の設定を要求します。
- 支援対象地域を福島県全域、及び追加被ばく線量1mSv以上の地域に設定してください。
- 被災者の生活支援については支援法に則った十分な施策を盛り込んでください。
- 幅広い疾病の可能性に対応した検診の充実を盛り込んでください。
- もっと被災者の立場に立った「復興庁」の役割発揮を望みます。
意見全文は以下の通りです。
また、各会員生協からも意見が提出されています。
パルシステム東京
パルシステム神奈川ゆめコープ
パルシステム千葉
各所と連携した全国運動も展開中
パルシステム連合会は8月26日(月)、避難している当事者や弁護士、NPOなどと連携し「原発事故被害者の救済を求める全国運動 実行委員会」を立ち上げました。「原発事故子ども・被災者支援法」の実効性を伴った早期の実施と、2014年3月に時効を迎える損害賠償請求権の問題解決などを求め、署名活動などを行っていきます。
【関連リンク】
「原発事故被害者の救済を求める全国運動」スタート
一部会員生協で署名活動が始まっています
パルシステム東京(署名用紙がダウンロードできます)
代表理事 理事長 山本 伸司
(理由)
・これまで2回の説明会といった限定的な開催で、充分な意見反映がされているとはいえません。
・被災者・避難者の声を充分に反映させるため、公聴会など必要な措置をとるべきです。全国に避難されている方々の声も丁寧にすくいあげる全国各地での公聴会開催など避難者に配慮した施策を求めます。
(理由)
・支援対象地域は福島県内33市町村と狭い地域に限られています。
・原発事故子ども・被災者支援法では、「一定の基準」以上の地域を支援対象地域とすることを規定していますが、これは無視されています。国際的な基準および国内的な法令が、一般人の被ばく限度を1mSvとしていること、また、低線量被ばくの健康影響に関しては、閾値なしの線形モデル(これ以下では影響がないという値がなく、線量に応じた影響を仮定すべき)が国際的に最も広く採用されていることを考え、追加被曝年間1mSv以上の地域を支援対象とすべきです。
・県外の高線量地域への支援も必要です。根拠の無い除外を行うべきではありません。
(理由)
・帰還を促す表現が目に付きますが、記載されている施策のほとんどは既存のものとなっています。多くの被災者の声を聞き取り、被災者の視点にたった十分な施策を検討すべきです。
・そしてその地域に居住せざるを得ない住民、その地域から避難せざるを得なかった住民、双方に対して手厚い支援を行うべきです。
(理由)
・健康分野は記載の内容では不十分です。福島県内および県外について、国が責任をもって幅広い専門家や当時者の参加を得た上で、健康管理体制を構築すべきです。
(理由)
・募集期間がたった2週間のパブコメ及び説明会では形式的・アリバイ的と言わざるを得ません。今回の「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」も支援法成立後、1年以上もかかっています。もっと被災者に寄り添い、国民視点に立った「復興庁」の役割発揮を切に望みます。