パルシステム生産者・消費者協議会 第32回通常総会 オンラインで75産地をつないで開催

2021年3月23日

パルシステムの産直産地の生産者と生協組合員でつくるパルシステム生産者・消費者協議会は3月4日(木)、オンラインで全国の産直産地をつなぎ、「第32回通常総会」を開催しました。

パルシステム生産者・消費者協議会(以下生消協、180団体)は、パルシステムに農畜産物を供給する生産者と消費者である組合員、生協が対等な立場でともに協議し、活動する場です。同じ「生活者」として相互連携し、それぞれのくらしと地域が安心で豊かな暮らしの場となることをめざし活動しています。総会には、産直産地の生産者や生協組合員、パルシステムグループ役・職員などがリモート等で参加し、2020年度報告、および2021年度方針・予算案などを審議しました。

逆境からあらたな知恵を生み出す

開会にあたり大津清次代表幹事(愛媛県・無茶々園)は「2020年度は新型コロナウイルスを機に、今までの常識や暮らし方、生き方の変化を迫られました。直接的な交流が不可となるなか、リモート交流という新しい模索も。2021年度は産直四原則(※)や産直の意義を見つめ直し、新しい暮らし方や社会づくりに尽力したい」とあいさつしました。

パルシステム連合会理事長の大信政一は「産地交流もままならず、産直の根幹が揺らいでいるという思いでしたが、オンラインでの交流の模索は希望となっています。作ることと食べることは一体であり、パルシステム2030ビジョン(「たべる」「つくる」「ささえあう」ともにいきる地域づくり)とともに産直をさらに強化したい」と述べました。

取引先メーカーによって自主的に組織されているパルシステム協力会の安田昌樹会長(北海道漁連)は「この多難な時代で、生産者や消費者の視点を、俯瞰的に捉えて問題提起をし得る生消協の存在意義はますます重要になるでしょう。組織と活動の拡充を祈念します」とあいさつしました。

産直四原則
1.生産者・産地が明らかであること
2.生産方法や出荷基準が明らかで生産の履歴がわかること
3.環境保全型・資源循環型農業をめざしていること
4.生産者と組合員相互の交流ができること

総会議案は賛成多数で承認

総会では、2020年度の報告と2021年度活動方針など賛成多数で承認されました。高橋由美子消費者幹事(パルシステム千葉理事)は、「コロナ禍で、産地から組合員や職員に励ましのメッセージをたくさんいただき、産直のつながりを通しお互いの暮らしを思いやる関係の強さを感じた1年でした。ウェブを通した会議や交流でさらに活動を進化させていきたい」と述べました。

組合員からは「リアルな交流は困難だが、インターネットなどで新たな交流が生まれるチャンス」「交流は『食べる』が生産者に支えられていることに気づく貴重な機会。オンラインでもパルシステムでしかできない実感のあるつながりを作りたい」など発言がありました。

最後に今期で退任の役員6名があいさつし「生消協の使命は、産直なくしてパルシステムなし、パルシステムなくして産直なし、との思いで、引き続き生産や消費活動を行ってもらいたい」と激励しました。

オンライン「おうちで産地交流」

総会後、2021年度活動方針のひとつであるオンライン交流について、毎年交流している北海道の富良野青果センターとパルシステム東京の「おうちで産地交流」が紹介されました。

富良野青果センター 人参畑にて

パルシステム東京 産地交流担当者

パルシステム東京の市嶋淳一さんは「以前、交流についてアンケートを実施した際、関心はあるが、実際的に参加は…という組合員が相当数いたので、オンライン交流は潜在的なニーズを取り込めたのではと思っています。多忙な中、挑戦してくれた産地にはとても感謝しています。現地中継だけでなく、生産物を食べた感想のやりとり、産地の食べ方伝授など、相互交流も大事だと感じています」と語りました。そして「まだやったことのない産地もぜひ前向きに検討いただければ」と希望しました。

パルシステム東京 組合員アンケート~産地交流の参加動機

富良野青果センターの岸本和則さんは「オンラインでどれだけ伝わるか心配でしたが、企画やバックアップ体制が綿密に準備され、心配するほどではありませんでした。現地交流は気軽に質問でき、農作業や収穫など実体験できるメリットもありますが、宿泊や費用、天候、怪我の心配などもあります。今後は両方実施すれば、組合員の選択肢が増えていいし、オンラインで興味を持って実際に来訪につながればうれしい」と報告しました。

最後にパルシステム連合会専務理事の渋澤温之は「人口減少、高齢化、自然災害、温暖化問題など先行きが見通せないなか、さらにコロナが追い打ちをかけ、私たち一人ひとりのくらしそのものが見直しを迫られる局面を迎えています。あらためて、食料生産の根幹である農業、その主体は生産者と消費者であるとするパルシステムの食料農業政策や産直4原則の存在意義が重要になると思います。生産者、組合員ともに、産直に誇りを持ちながら、これからもがんばっていきたい」とまとめました。

パルシステム生産者・消費者協議会(生消協)