手作り梅干し講師養成講座を開催 手軽な袋漬けで旬の手仕事を伝え広げる
2017年6月16日
パルシステム連合会は6月7日(水)、手作り梅干しの時期を前に、東京・東新宿本部で講師養成講座を生産者を招き開催。会員生協のPLAや食育リーダー27名が参加しました。
「ほんもの」をおいしくムダなく使いこなそう!
パルシステムでは、「ほんもの実感!」くらしづくりアクションを通して、旬の食材を使った保存食づくりを提案し、そのよさや価値を伝えています。
昨年は公募・抽選で選ばれた組合員の16家族36名が梅干し作りを体験し、大変好評でした。そこで今年は、もっと多くの組合員に広げていこうと、会員生協で活躍しているPLA※や食育リーダーを対象に講師養成講座を開催。6生協から27名が参加し、梅の生産者から安全・安心な梅の栽培の苦労や手作りの極意などを学びました。 参加者のなかには初心者、ベテラン「だけど袋漬けは初めて」という方も多く、「伝えられるようにきちんと勉強したい」と意気込んでいました。
※PLA(パルシステム・ライフ・アシスタント)とは、生協組合員がパルシステム商品を学び、それを組合員に広げていく活動のこと。
「ポイントさえ押さえれば大丈夫」を伝えて
講座は、白梅干しと赤梅干しのチャック付き袋での漬け方を学びました。講師は昨年に続き、白梅干しはジョイファーム小田原(神奈川県)の梅の生産者・斉藤徳雄さん、赤梅干しは大紀コープファーム(奈良・和歌山県)の和田尚久さん。産地や梅栽培の特徴をはじめ、組合員から多く寄せられている質問も交えながら、参加者が「教える側」になったときスムーズに伝えられるよう、ポイントをわかりやすくまとめ話しました。
斉藤さんは、「梅の木は病気や虫にとても弱い。除草剤を使わないので夏場は刈った後から草刈りをする。梅の木や栽培の苦労についても伝えていただければ」と話しました。「ポイントを押さえればあとは柔軟で大丈夫」と和田さん。「たとえば、重要なのは梅にどれだけきちんと塩をからませられるかということ。重石も梅全体にきちっとかかれば大丈夫です。さっきタウンページでと言ったら、『最近のタウンページは薄いわよ』って言われましたが(苦笑)」。また、よく組合員から質問があるという「かめでつけなくてはいけないの?」「レシピどおりでないと失敗?」とか、「カビたらもうダメ?」なども、堅苦しく考えなくてよいと言います。「今日帰ったら、袋の空気をぜったい抜いておいてください。で、もしカビたら、そこを除けばいいんです。ただし気づいたら真っ黒!というのはダメ。カビは“こまめに観察、出たら取り除くがポイント”」と話しました。
参加者は生産者のアドバイスをもとに白梅干し・赤梅干し用梅1kgの塩漬けに挑戦。その間生産者は質問の応対に大忙しでした。「以前失敗したので不安だったが、ポイントを聞いて大丈夫な気がしてきた」「ハードルが低くなった気がする。これなら教えられるかも」といった前向きな感想が出されました。
産地や生産者のことも伝えてもらえるとうれしい
「参加者のみなさんは今後、教える立場になられるということなので、今日はポイントを強く伝えたつもり。これを押さえておけば一人前の梅干し先生です。漬け方だけじゃなく、産地や僕たち生産者のことも伝えてもらえるとうれしいです!」。(和田さん)
和田さんが強調したポイントを以下にまとめました。
●ポイント
・塩は梅全部にきちんとからませる。重石は梅全体に比重がかかるようにする(袋漬けは梅を平らにならし、その上に雑誌等を置く)。こうしないと梅酢があがりにくい
・袋漬けは、カビ対策で、空気をなるべく抜いて保存
・天日干しまではこまめに確認し、カビを見つけたら慌てず取り除く
・天地返しは暑い日中にはしない。皮がくっついていて、無理にやると破れる。理想は朝で、朝露がついているので返しやすいが、夕方でもよい。
・漬ける塩は精製塩以外で。パルシステムの『海はいのち(長崎県産海水塩)』のような自然塩を使うのがおいしく漬けるコツ
・届いた梅が青い場合は、すぐに袋から出し、常温で半日以上置いて追熟する(または、一粒種を見て、黒ければ熟していると判断)
・天日干しは梅の色が肌色に変わればOKと考えてよい。三日三晩にこだわらなくてよい