「緊急お助けパック」年間12件を提供 住まいない人をアプリで支援〔東京・埼玉〕

2026年4月3日

相談の一歩をデジタル技術が後押し

生活協同組合パルシステム東京(本部:東京都新宿区大久保、理事長:西村陽子)と生活協同組合パルシステム埼玉(本部:埼玉県蕨市錦町、理事長:西内良子)は2025年度、NPO法人トイミッケ(本部:東京都豊島区東池袋、佐々木大志郎代表理事)と連携して設置した「緊急お助けパック」を12件配付しました。住まいを失った人が専用アプリで登録して受け取り、緊急宿泊先や通信・移動手段を担保するセットです。

安心して過ごせる一晩を提供

「緊急お助けパック」は、トイミッケと一般社団法人つくろい東京ファンド(本部:東京都中野区沼袋、稲葉剛代表理事)が協働で運営する困窮者支援の仕組み「せかいビバーク」に賛同する団体の事務所などで受け取れます。A4サイズの封筒に宿泊チケットや非常食、携帯電話の充電器などが入っています。

受け渡し拠点は、本屋や薬局の店舗、市民団体事務所など東京都66カ所、埼玉県1カ所に設けられています。利用を希望する人は、拠点を訪問して専用アプリから受け付けを完了させ、翌日の公的相談機関や民間支援団体への連絡を約束します。2025年度は234人が新規登録し、のべ783件の相談につながりました。(※数字は速報値、2025年7月1日~10月31日までの新規利用休止期間を含む)

パルシステムは東京の9配送センターと本部事務所、埼玉の活動施設「ぱる★てらす」の11カ所を登録し、2025年度は7拠点で12件の新規登録を受け付けました。その後の相談を通じて、ある10代の若者は支援団体のシェアハウスに入居できました。公的窓口の即時対応を断られた女性は、緊急の宿を確保した翌日に公的支援に結び付くなど、さまざまな事情で「今日安心して眠る場所がない人」の支援につながりました。

▲パルシステム東京本部事務所など11カ所で受け付け

▲アプリで登録する「緊急お助けパック」

“見えづらいSOS”を支援

「せかいビバーク」は、スポットワークなど収入が不安定な就労が継続し、住まいを失った人たちを支援につなげることを目的とします。バイトアプリのアカウント停止や急な傷病により就労場所を失い、ネットカフェなど眠る場所さえ確保できなくなる「見えづらいホームレス」は多数います。

遭難時の緊急野営を意味する「ビバーク」のように、頼れる場所がない人たちに一晩の宿を提供し、支援につなげるための安全な場所を確保します。一人ひとりの状況に応じて相談に乗り、民間支援団体の紹介や誰もが受ける権利のある公的支援の手続きへの同行など、安心できる場所を取り戻せるよう寄り添います。

「緊急お助けパック」の利用は1回に限られますが、「せかいビバーク」に登録すれば再び困難な状況になった時に連絡が取れます。首都圏では炊き出しや相談事業など、多様な支援団体が連携しながら活動しています。ICTによる支援ネットワーク構築で、相互の団体が連携し、継続的に見守ります。

助成をきっかけに連携

パルシステムが受け渡し拠点を登録したきっかけは、2023年度のパルシステム東京「市民活動助成基金」での活動への資金助成です。贈呈式での佐々木さんの呼びかけに応じ、当初は9拠点を登録し、業務との調整を進め設置場所を拡大しています。パルシステム埼玉も連携に賛同し、県内唯一の設置拠点となっています。

パルシステムはこれからも、さまざまな課題に向き合う人たちと手を取り合い、誰もが取り残されることのない地域づくりを目指します。