東日本大震災15年に寄せてメッセージ 経験と教訓生かしともに生きる社会へ

2026年3月9日

東日本大震災から15年を控え、パルシステム連合会は3月9日(月)にメッセージ「東日本大震災15年に寄せて 経験と教訓生かしともに生きる社会へ」を発表しました。震災と原発事故の経験と教訓をから、あらゆる立場の人たちが手を取り合い、ともに生きられる社会の実現を呼びかけます。

全文は以下の通りです。

東日本大震災15年に寄せて
経験と教訓生かしともに生きる社会へ

東日本大震災から15年が経過しました。建物倒壊や火災、津波などによって死者・行方不明者あわせて2万2,332名もの尊い命が犠牲となりました。あらためて、被害にあったみなさまのご冥福をお祈り申し上げます。

発災直後、日本国内は混乱を極め、パルシステムにとっても存続の危機といえる事態に陥りました。宅配事業では、産直産地の生産者やメーカー、配送委託会社、生協職員などが一丸となって商品を届け続け、組合員とともに困難を乗り切ることができました。原発事故をめぐっては、生産者とともに拡散された放射性物質への対策に力を尽くしました。共済や福祉などの事業も同様です。

それからの15年間も、私たちは地震や異常気象、パンデミックなど幾多の大きな災害を経験しました。そのたびに人と人が助け合い、くらしに寄り添うことの重みを感じてきました。2024年に発生した能登半島地震では、職員の派遣を継続し、被災地の復旧・復興をサポートしています。組合員から寄せられる募金は、現地の支援活動などに活用され、大きな力となっています。

この震災で学んだ「人と人がつながり、つないだ手を放さないことの大切さ」は、事業や運動にかかわらず、あらゆる活動に生きています。

特に、原発事故はいまもなお深刻な影響を及ぼしています。復興庁のまとめによれば、震災によっておよそ2万7千名が避難生活を送り、そのうち福島県では1万9千名もの人々が、心静かなくらしを取り戻せずにいます。避難が続くみなさんは、けっして故郷を捨てたかったわけではありません。

原発は、たった1回の事故で一人ひとりが大事に育んできた営みを破壊しました。多くが心身に大きな傷を負い、15年を経ても癒えることはありません。これは自然や人と共生し、穏やかにくらすことを目指す持続可能な社会と相反するものです。

この経験を教訓としパルシステムは2016年から、再生可能エネルギーを中心とした電力を提供しています。あわせて組合員へ応援金を募り、原発事故による避難者をはじめ心の傷を負ったみなさんに寄り添い、応援する活動を続けています。

しかし近年、原発の稼働や設置の動きが国内外で活発化し、その是非をめぐり世論が割れています。さらに世界では武力行使や経済圧力、真偽不明な情報の流布など、あらゆる手段で他者を傷つけ、争うできごとが相次いでいます。さまざまな分断を眼前に私たちは、東日本大震災と原発事故の経験と教訓を想起せずにはいられません。

苦難を乗り切るためには、それぞれの価値観を持つ人同士が分かりあい、支えあう社会づくりが不可欠です。私たちはあらためて、あらゆる立場の人たちと手を取り合い、ともに生きられる社会の実現を呼びかけます。

パルシステムグループはこれからも、理念「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」に基づき、2030ビジョンに掲げる「たべる」「つくる」「ささえあう」「きりかえる」「わかりあう」による持続可能な地域社会を目指します。

パルシステム生活協同組合連合会
代表理事理事長 渋澤温之