住宅セーフティネット法改正めぐり議論 全居協がシンポ
2024年7月5日
行政と支援当事者で制度を考える
パルシステム連合会(東京都新宿区、理事長・大信政一)が参加する一般社団法人全国居住支援法人協議会(全居協、東京都新宿区、村木厚子会長)は6月29日(土)、定時社員総会と記念シンポジウムを開催しました。シンポジウムでは行政と支援当事者が「すまいの確保」に向けた施策のあり方を議論しました。
貸す側も借りる側も安心な「すまい」へ
総会は、会員104団体のうち書面を含め91団体が出席し、2023年度決算をはじめとする全議案が可決承認されました。
続いて開催された記念シンポジウム「住宅セーフティネット制度関連法案改正に伴う今後の居住支援法人のありかた」は、全居協社員のほか関係者など150人が参加しました。パネルディスカッションには、大月敏雄理事(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授)をコーディネーターに、関係官庁である国交省、厚労省、法務省の担当者と、居住支援活動にかかわる当事者がそれぞれ登壇しました。
居住支援をめぐっては「住宅セーフティネット制度関連法」が2024年5月に改正され、住まいを求める人と賃貸住宅の家主や不動産業といった家を貸す人との間を取り持つ存在として、居住支援法人の役割が期待されています。一方で、居住支援に対する社会的な認知は浸透しているとはいえず、施策が本格化できていない地方自治体が多くあります。
関係官庁からは、新たに創設される「居住サポート住宅」をはじめ、法改正の概要とそれに伴う政策のロードマップなどが示されました。それに対し当事者側からは「活動の原資を確保するにはどうしたらいいでしょうか」「地方自治体の認識が不十分に感じます」などの課題を指摘し、制度のあり方を議論しました。
共同代表の村木厚子会長は「居住支援の認知は少しずつ高まっており、法整備も進んでいます。行政と当事者が率直に話せる今回のような議論が各自治体でできれば、さらに前進できると感じました。今後は、そのための情報提供などサポート体制を強めていきたいと思います」と語りました。