鹿児島県川内原発「審査書案」へパブリックコメントを提出 安全確保が不十分な再稼働に反対します

2014年7月30日

パルシステム連合会は7月30日(水)、原子力規制委員会がまとめた「審査書案」に対する国民からの意見募集(パブリックコメント)へ意見を提出しました。住民の安全確保が不十分な原発再稼働に強く反対します。

政府の原子力規制員会は7月16日(水)、九州電力川内原子力発電所1、2号機について、事実上の合格証にあたる「審査書案」をとりまとめました。これにともない8月15日(金)まで、国民からの意見(パブリックコメント)を募集しています。パブリックコメントは、国の行政機関などが新たな政策や規則などを定める際に、国民から広く意見を募集する手続きのことです。

審査書案は、東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえておらず、住民の安全確保が十分ではありません。パルシステム連合会は7月30日(水)、審査書案の撤回を求め、再稼働に反対する意見を提出しました。撤回を求める理由は以下の通りです。

  1. 火山影響評価では噴火の予測はできないとの専門家の警告を認めながらも審査では無視し、自ら定めた「原子力発電所の火山影響評価ガイド」にも違反している
  2. 重大事故時に生じる汚染水が海などへ流出することを防止する対策が全くとられていない
  3. 重大事故時の格納容器破損や水素爆発の可能性について、解析コードの信頼性を確認するためのクロスチェック解析が行われておらず、防止対策が十分でない
  4. 地震動の想定が過小評価になっている
  5. 事故時の住民の避難計画が自治体まかせになってしまっている

提出したパブリックコメント全文は以下の通りです。

2014年7月30日
原子力規制委員会 委員長
田中 俊一 殿

川内原発の新規制基準適合性審査
原子力規制委員会による審査書案に対する意見書

パルシステム生活協同組合連合会
理事長 山本 伸司

 私たちパルシステムグループは関東を中心に福島県から静岡県までの1都9県で活動している組合員130万人の生活協同組合のグループです。私たちは「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」を基本理念として活動してきました。2012年にはパルシステムのエネルギー政策として「減らす」「止める」「切り替える」を制定し、「止める」については「速やかに脱原発を実現します」を掲げ、事業と運動を一体的に進めてまいりました。

 7月16日、原子力規制委員会は、九州電力川内原発の新規制基準適合性審査に関し、合格通知にあたる審査書案を提示しました。 川内原発の新規制基準の適合性審査については、東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえたものにはなっていないこと、住民の安全を置き去りにした再稼動のための審査となっていることに対し、以下の理由から、強く反対します。

  1. 火山影響評価では噴火の予測はできないとの専門家の警告を認めながらも審査では無視し、自ら定めた「原子力発電所の火山影響評価ガイド」にも違反している
  2. 重大事故時に生じる汚染水が海などへ流出することを防止する対策が全くとられていない
  3. 重大事故時の格納容器破損や水素爆発の可能性について、解析コードの信頼性を確認するためのクロスチェック解析が行われておらず、防止対策が十分でない
  4. 地震動の想定が過小評価になっている
  5. 事故時の住民の避難計画が自治体まかせになってしまっている

 このような状況で、川内原発の再稼働手続きが進むことは許されません。原子力規制委員会は審査書案を撤回すべきです。

 私たちはこのような状況で川内原発を再稼働させる準備をすすめることに強く反対します。

以上