TPP交渉差止・違憲訴訟の第7回口頭弁論 国内承認後も、改めて違憲性を主張
2017年1月18日
パルシステムが協力する「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」が提訴した訴訟について、第7回口頭弁論が1月16日(月)、東京地方裁判所で開かれました。傍聴には定員を超える希望者が訪れ、前後には門前集会、報告会も行われました。
これまでの弁論の経緯を説明
「 TPP交渉差止・違憲訴訟の会」は2015年1月に設立しました。パルシステムグループも、産直産地の生産者をはじめとする関係団体と協力し、活動を応援しています。訴訟は5月15日(金)、原告1,055名にて提訴され、8月25日(火)には原告527名による第二次提訴が行われました。
法廷での第7回口頭弁論は1月16日(月)、東京地方裁判所で行われ、傍聴定数約100人に対し200人近くの傍聴希望者が集まりました。それに先立ち裁判所前では門前集会、終了後は衆議院会館で報告集会を開催し、傍聴できなかった人を含め多くの参加がありました。
11月に行なわれた前回の口頭弁論では、裁判長の変更が事前通告なく直前に判明したため、しかるべき「弁論の更新手続き」を求め、勝ち取りました。よって今回は「更新弁論」から始まり、TPP(環太平洋連携協定)が国内の法体系を揺るがすものであり、類がない秘密性に対し、国民への充分な説明と情報公開を求める、といったこれまでの弁論の経過が、山田正彦元農林水産大臣ら原告代理人の弁護団より説明されました。また、この日は内田聖子アジア太平洋資料センター事務局長と、評論家の植草一秀さんがTPPの違憲性について意見陳述しました。
弁護団からは、TPP批准の承認案と関連法案が12月に参議院本会議で可決され、承認、成立したことを経て、国民に対する権利侵害のひっぱく性を量るためにも、関連法案・条例の改正や、諸準備の状況について「求釈明」を書面にて準備、回答を求めました。しかしながら、請求は退けられ、結審に終わるという残念な結果となりました。
今後は判決を待って、みなで議論
報告会では、傍聴できなかった人を含め多くの参加があり、裁判の内容について、弁護団や原告、傍聴者より報告がありました。弁護団からは、結審してしまったことへのお詫びと「今日の成果としては“TPPは批准されていない”と、国が認めたことです。 関連諸条例の閣議決定もしておらず、国内法上の手続きを完了した旨を、寄託者であるニュージーランド政府に“通報していない”との発言がありました。これはつまり、どの関連法案を、どう変えるのかわからないままTPP法案を成立させた、という事実が明らかになったということです。いずれにせよ、生活者の命とくらし、未来を守るために、戦い続けていきます」と決意表明がありました。今後については、第三次提訴の準備も進めていることから、控訴するかどうかも含め、判決を待って議論していきたいとの方針が示されました。