パルシステム「国産飼料比率引き上げ発表会」開催 自給率向上に取り組む生産者2名が登壇
2022年6月27日
遊休農地を活用した飼料用米とトウモロコシを活用
発表会は、「日本のこめ豚」生産者の豊下勝彦・ポークランドグループ(秋田県)代表と、「コア・フード国産飼料で未来へつなぐ平飼いたまご」生産者のJAやさと(茨城県)・松﨑泰弘さん、パルシステム連合会執行役員産直事業本部長の島田朝彰が登壇しました。
「日本のこめ豚」は、産直産地のポークランドグループで2008年から生産を開始しました。飼料用米の配合率は、当初の10%から段階的に引き上げ、2022年4月から40%を実現。さらに飼料用米産地も全量を秋田県産へ切り替えています。注文数も前年比140%と好調に推移しています。
豊下さんは「東日本大震災では、工場などの被災により飼料が届かなくなる事態となりました。そのとき、保管していた飼料用米が豚から飢えを救い、輸入に頼り切る危うさを痛感しました。『日本のこめ豚』は利用者からも『脂身があっさりしている』『甘みがある』など好評です。今後も豚の健康に配慮しながら、地域の資源循環に貢献したいと思っています」と語りました。
「コア・フード国産飼料で未来へつなぐ平飼いたまご」は、トウモロコシや大豆ミールなど、輸入が主体だった穀物飼料全量を国産化しました。飼料全体でも90%以上が国産です。安定的な供給が必要なため毎週もしくは隔週で定期的に届ける「予約登録」にて受け付けを開始したところ、限定数(週1,500パック)を大きく上回る2,000人から申し込みがありました。産地では、9月から増産できるよう準備を進めています。
松﨑さんは「親鶏へ飼料用米を多く与えると、たまごの味があっさりしすぎてしまうため、トウモロコシが必須になります。国産トウモロコシの原料を探していたところ、同じ茨城県内で生産している農家と知り合うことができました。耕種と畜産の生産者と、生産品を購入する消費者の協力がなければ実現しない商品です。世界の情勢に左右されない生産を進化させたいと思います」と話しました。
パルシステム連合会の島田は「パルシステムでは約半世紀にわたる生産地との産直活動の一環として、食料自給率向上と地域の資源循環をめざした『日本型畜産』を推進しています。今後も家畜の健康に配慮した『アニマルウェルフェア』を含め、持続可能な農業を生産者のみなさんとともに追求していきます」と述べました。
パルシステムでは今後も、国際情勢などの影響を受けやすい輸入飼料にできるだけ頼らず、国産飼料の活用を広く伝えることで、食料自給率向上と安定的で持続可能な農畜産業の実現をめざします。