「平和・核廃絶に向けたフォーラム」を開催 ウクライナ侵攻も核廃絶も「1人ひとりが声をあげよう」

2022年4月1日

パルシステム連合会は3月5日(土)、ピースボートと共同でオンラインイベント「平和・核廃絶に向けたフォーラム」を開催し、約350人が参加しました。ロシアによるウクライナ侵攻や核兵器禁止条約をめぐる情勢を知り、平和の実現に「私たちができること」を考えました。

ICAN国際運営委員 川崎哲さん

ウクライナは人道上の危機

「平和・核廃絶に向けたフォーラム」は、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)国際運営委員の川崎哲さんによる基調講演のあと、「核兵器禁止条約」「核被害と環境問題」「活動を広げるために」の3テーマに分かれたセッションが行われました。当初は初めて実施される予定だった核兵器禁止条約締約国会議にあわせた開催でした。当日は、ロシアによるウクライナ侵攻で平和への関心が高まったこともあり約350人が参加しました。

基調講演「核兵器の終わりか、私たちの終わりか」は、川崎さんがウクライナと核兵器の情勢を中心に語りました。冒頭、ウクライナ情勢について「多くの犠牲者、避難者が出ており、支援活動が始まっています。国際関係の前に、いま人々が傷ついているという人道上の危機を考えるべきです」と語り「1人ひとりが『戦争やめろ』と声を上げることが、社会的制裁になります。声で戦争をやめさせ、ロシアを国際社会に戻すことが重要ではないでしょうか」と提起しました。

日本政府を参加させるには

続いて核兵器廃絶向けた世界の動きを紹介しました。世界の核兵器数は、ピーク時の8万発から1万3千発まで減りましたが、ゼロではありません。2017年に国連で採択された核兵器禁止条約は、核の「非人道性」に焦点を当て、2021年に発効しました。第1回締約国会議の内容について「核兵器廃棄のプロセスやそのための国際機関のあり方などが議論される予定でした。核廃絶に向けた歩みが、始まろうとしています」と説明しました。

締約国会議の日本政府の参加へ向けて「NATO構成国のノルウェー、ドイツもオブザーバー参加の意思を表明しています。調査では、国会議員の過半数、世論も85%がオブザーバー参加に賛成しています。そのかい離を解消するためにも、世論を反映するよう声を上げていく必要があります」と川崎さんは語りました。

また、セッションでは「核兵器禁止条約締約国会議に向けた課題」「世界における核被害と環境問題」「市民の活動を広げるためには」の3テーマに分かれ、意見交換しました。国内外で活躍する幅広い年齢層の登壇者が、それぞれの経験から見えた核兵器廃絶の現状や問題意識を紹介し「私たちができること」を考えました。

パルシステムとICAN

ICANは、核兵器の禁止と廃絶を目的に活動する世界のNGO(非政府組織)で構成する連合体です。核兵器禁止条約の成立に貢献したことが評価され、2017年にノーベル平和賞を受賞しました。ピースボートは、2010年からICANに参加し、世界10団体で構成する国際運営グループのひとつです。パルシステム連合会は2018年からICANに加盟し、核兵器のない世界の実現を呼びかけています。

ノーベル平和賞受賞のICANにパルシステムも加盟 核兵器のない世界を次世代へ |2018年5月7日