「ほんもの実感!」連続講座 非遺伝子組換え商品の作り手を応援

2021年9月20日

パルシステム連合会は9月2日(木)、東京・東新宿本部で、第3回「ほんもの実感!」くらしづくりアクション連続講座―「非遺伝子組換えの作り手を応援しよう!」を開催。非遺伝子組換え(NON-GMO)について作り手と使い手(組合員)の相互理解を深めました。

パルシステムでは「私たちの“選ぶ”が社会を変える力に」とほんもの実感!くらしづくりアクションに取り組み、商品や作り手、その背景を知って無駄なく使うことを進めています。遺伝子組換えに対しては非遺伝子組換え商品開発や不分別原料の見直しを生産者やメーカーと進めています。2013年にマークを作り組合員の選ぶ権利を保障しています。

今回のオンライン学習会は、非遺伝子組換え商品の作り手を代表して、㈲伊豆鶏業、太子食品工業㈱、㈱ニッコーが報告し、組合員や役職員など約168名が参加しました。

報告者のみなさん。写真右上から時計回りに、伊豆鶏業の佐藤さん、ニッコーの菊田さん、太子食品工業の小森さん、司会を務めた商品委員会副委員長・村上佳代子さん(パルシステム千葉理事)

遺伝子組換え表示新制度へのパルシステム方針

2023年から始まる遺伝子組換え表示の新制度について、広報本部長の加藤かおりは「新たに国が指定する検査での不検出証明が必要で、また生産・流通・製造段階それぞれで管理が必要になるなど、さらにハードルが上がります。これにより産地・メーカーの負担が増え、NON-GMO探求の諦めにつながるのではと強く懸念しています。作り手のNON-GMOへの努力が表現できるよう新しいマークを検討・実現したい」と語りました。

 生産者・メーカーによるNON-GMOの商品づくり

パルシステムのたまご生産者、㈲伊豆鶏業の佐藤俊夫さんはとうもろこしや大豆の飼料で非遺伝子組換え作物を使用しています。90年代に始まったGMO穀物生産に強い不安を持ち、NON-GMO飼料での生産を決意しました。この間NON-GMO飼料が希少となりプレミアム価格化し、穀物高もあいまって頭を悩ませています。「買い支えで生産者の思いとほんものを実感していただきたい」と訴えました。

PB『なめらか絹とうふ小分けパック』のメーカー、太子食品工業㈱は原料大豆でNON-GMOを追求。日本で初めて遺伝子組換え大豆不使用を宣言した会社です。「それに伴い、NON-GMO大豆の安定確保のしくみと体制をゼロから構築しました」と小森靖さん。種子の管理や圃場の選定、契約農家生産者選定をはじめ細かく構築したそうです。「表示改正がされてもこれまで同様不使用の姿勢は変えず、協力者とともに進めていきたい」と語りました。

PB『ごま油が香ばしい!産直野菜の中華丼の具』のメーカー、㈱ニッコーは、揚げ油や調味料をはじめ原材料でNON-GMOに取り組んでいます。冷凍食品の製造で欠かせない揚げ油はすべてNON-GMO菜種油にするなど意欲的です。「冷凍食品などの加工品は原材料が多彩で、NON-GMOを探すのに苦労します」と菊田潤哉さん。「組合員のみなさんのNON-GMOへの思いや取り組みで、私たちも支えられています」と話しました。

参加した組合員からは「原材料の多い加工食品でNON-GMOを実現の裏側には、たくさんの努力があることを知りました」「みなさんの努力で安全安心な食べ物を口にできていることがよくわかりました」など感想が寄せられました。