「ほんもの実感!」工場訪問・交流会 作り手と使い手の絆を築く「産直バジルのジェノベーゼソース」
2021年7月23日
パルシステム連合会は6月22日(火)、東京・東新宿本部で、2021年度第1回「ほんもの」の作り手を訪ねる「工場訪問・交流会」をオンラインで開催しました。バジル畑からの生中継も交え、作り手との交流を楽しみました。
パルシステムでは「私たちの“選ぶ”が社会を変える力に」と「ほんもの実感!」くらしづくりアクションに取り組み、商品や作り手、その背景を知って無駄なく使うことを進めています。
「ほんもの」の作り手を訪ねる「工場訪問・交流会」は2016年度から開始し、「ほんもの実感!」対象商品のメーカーを訪ね、商品づくりへの思いや製造のこだわり、苦労を知り、組合員の商品への想いや感謝を作り手に伝えて、商品を通し双方のつながりを深める目的で実施しています。今回、産地、メーカーの協力で1年ぶりに開催しました。
「産直バジルのジェノベーゼソース」のバジル産地・ささ営農
今回、「産直バジルのジェノベーゼソース」のバジル産地・ささ営農(兵庫県たつの市)、製造のエム・シーシー食品(株)に、商品づくりに込められた思いや製造のこだわりなど、畑から生中継も交え伺いました。参加組合員からは、たくさんの質問や商品愛あふれるコメントが出されました。
開始にあたり商品委員会の反町幸代委員長(パルシステム群馬理事長)は、「産地やメーカーの多大なご協力で開催でき感謝します。「産直バジルのジェノベーゼソース」は、私たちの「選ぶ」ことがよりよい商品づくりだけでなく、地域の活性化などにつながる商品です。さらに商品のファンが増えることで、産地やメーカー、地域とのつながりや絆ももっと深まると思います。今日はそのきっかけになれば」とあいさつしました。
香りたつバジルを作りたい
原料のバジルは産直産地のささ営農で路地栽培された、ひょうご安心ブランド(兵庫県認証食品)認定のバジル。早朝に手摘みし、隣接の工場でペースト加工後、兵庫市内のエム・シーシー食品(株)の工場に運ばれソースに加工されています。
ほ場からの中継では、今にも香りがしてきそうなバジルの手摘み風景を見学。葉を傷つけたり茎が入らないよう留意しています。ささ営農の八木正邦さんは、香りのため路地栽培にこだわり、早朝から摘み取り、摘む時間やペーストにする一次加工も1分でも早く短時間でと努力していると話します。また収穫前に残留農薬検査も行い、より安全なバジル生産をめざしています。
バジル栽培が地元の雇用や農地の活用に
神戸市にあるエム・シーシー食品(株)の蛭田康信さんから、商品化までの道のりを伺いました。当時の日本ではバジル生産がほとんど行われておらず、アメリカの輸入原料を使用。「もっと風味の強い色鮮やかなものがほしい、国産、いや地元で作れば貢献もできる」と社長が思い立ち、専任の担当者を置いて調査しましたが、栽培農家がおらず、県の協力もあり紹介されたのがパワフルで真摯な取り組みをしているささ営農さんでした。ささ営農でも「バジルって何なん」状態でしたが、女性生産者の理解もあり挑戦することになりました。路地栽培は病虫害や天候の影響を受けやすく、栽培開始当初は全滅ということもありましたが、現在では約50トンも収穫出来るようになりました。蛭田さんは「香りや風味にこだわり路地栽培を続けていただいています。バジルを通して地元の方の雇用や農地の活用など六次産業化支援事業として、地域や県の役に立ちたい」と話します。
「産直バジルのジェノベーゼソース」のアレンジレシピ発表会では109名の組合員から多彩なレシピが寄せられ、開発担当の石川陽菜さんに気になるレシピを選んでもらい、石川さんのおすすめレシピも加わり、双方向に交流しました。
閉会にあたり商品員会の樋口民子副委員長(パルシステム埼玉理事長)は、「行政や地域も巻き込み、さまざまなつながりからできたソース。私たちがその商品を利用することで、つながりの中に入れることは光栄です。組合員の商品への思いや感謝は、たくさんのアレンジレシピからも産地やメーカーのみなさんにも伝わったのではと思います。つながりが物語を生み出す『ほんもの実感!』の取り組みをこれからも続けていきたい」とまとめました。