食品と放射能問題検討共同テーブル 2万件超の検査データを集計・分析しました

2013年3月13日

パルシステム連合会など食品と放射能問題検討共同テーブル(共同テーブル)に参加する5団体は、それぞれ独自の放射能基準に基づいて自主検査を実施し、検査結果を公表してきました。これまでの公表データの集約とそれぞれの食品分類の傾向をまとめました。以下に報告、提起します。

5団体で年間5万3千件超の測定結果を公表

共同テーブルの参加団体では、それぞれ独自の放射能基準を設け、取扱商品の放射能検査を実施してきました。計測結果は、消費者の商品選択に資するもの、消費者に安心を与え風評被害を低減させるもの、産地の放射能低減策に活用できるものとして、組合員・会員・消費者に向け、ホームページや店頭で公開しています。

これまでに公開した測定結果は合計5万3,128件で、2012年だけでも3万7,301件になります。共同テーブルでは、検査した商品のうち、1次産品を中心とした集計が可能な商品を集約しています。集計した検査結果は2万2,667件です。

測定結果はほとんどが「不検出」

測定結果の集計、分析作業で見えてきた傾向は次のとおりです。いずれも国の基準を超えたものはありませんでした。

 

コメ ほとんどが不検出となっています(検出率4.4%)。国の基準値を超えたものはありません。
青果 ほとんどが不検出となっています(検出率0.9%)。国の基準値を超えたものはありません。
菌茸 多くは不検出ですが、検出例がみられます(検出率13.9%)。国の基準値を超えたものはありません。
2012年6月までは一部検出がありましたが、7月以降は検出例がありません(検出率7.5%)。国の基準値を超えたものはありません。検出例も茶葉そのものはありましたが、飲用として抽出したものは不検出となっています。
牛肉 検出例はありませんでした。
豚肉
鶏肉
魚介類 ほとんどが不検出となっています(検出率0.4%)。国の基準値を超えたものはありません。
海藻 検出例はありませんでした。
牛乳 2012年6月までは一部検出がありましたが、7月以降は検出例がありません(検出率1.0%)。国の基準値を超えたものはありません。
検出例はありませんでした。

※注意

  1. 各団体が使用する測定機器、測定方法により検出限界が異なります。
  2. 検体は無作為抽出ではなく、検出される可能性が高いものや測定する必要性が高いと考えられるものを優先しています。
  3. 乾物および茶は、国の通知では「飲食に供される状態と同様の状態」「飲用に供する状態」(乾物は水戻し、茶であれば抽出)とありますが、そのままの状態で計測したものもあります。

基準値や出荷制限体制などを見直すべき

以上の結果から、共同テーブルは3月11日(月)、政府に対して現行の基準値や出荷制限体制などの見直しや産地への支援を求める提言を行いました。

提言の概要

 

1)品目ごとの検出状況を踏まえ、可能な品目については現在の新基準値(2012年4月1日より適用)をさらに下げるべきです。

2)市町村単位の出荷制限は見直すべきです。

  1. きめ細かな検査に基づく出荷制限・出荷自粛要請をすべきです。
  2. 放射性物質の検出の原因がその地域に由来しない事例を考慮すべきです。
  3. 積極的に除染に取り組み、効果を上げている生産者の努力と実績を考慮すべきです。

3)検出が続いている作物については政府が調査・研究や支援をおこなうべきです。

※提言全文はこちら(PDF)