パルシステム生産者・消費者協議会第30回通常総会 「産直で地域をより良く」
2019年3月21日
パルシステムの産直産地の生産者と生協組合員でつくるパルシステム生産者・消費者協議会は3月7日(木)、東京・千代田区の日経ホールで「第30回通常総会」を開催し、30年の節目に存在意義をあらためて振り返り、また2019年度に向けた取り組みを確認しあいました。
総会には、産直産地の生産者や組合員、パルシステムグループ役職員など425名が集まり、2018年度報告、および2019年度方針・予算案などを審議しました。
開会にあたり大津清次代表幹事(愛媛県・無茶々園)は、「生消協は30年前、小さい産地が連帯し、大きくなるパルシステムの対抗軸として生まれましたが、10年ほど前から『よりよい社会づくりを”共に”進める』にシフトしてきました。昨今、異常気象、人出不足、高齢化などさまざまな課題が山積するなか、31年目からは『産直で地域が変わる――コミュニティ産直の推進』を生消協のあらたな役割として提案したい」とあいさつしました。
続いて来賓のパルシステム連合会・野々山理恵子副理事長(パルシステム東京理事長)は、「30年間の長いつながり、絆を確かめ合い喜び合いたい。同じ時代に生きる、そして共に社会をつくる仲間として輪になり、これからもよい地域や社会をつくる運動をしていきたい」と語りました。
次にパルシステム協力会(※)の畑山敏也会長((株)協和)は産地での6次産業化について、「農畜産物の育成には大変な苦労があると思うが、産地でそのこだわりの素材で商品開発すれば、地域にもお金が落ち、ひいては地方創生につながると思うので、みなさんの意向があれば力になりたい」と述べ、「生消協、協力会、パルシステムの協同歩調で、これからも組合員の暮らしを支える仕事をしていきましょう」と呼びかけました。
総会議案は賛成多数で承認
総会では、2018年度の報告と2019年度活動方針の2議案が賛成多数で承認されました。2018年度は生消協やその活動を広く知ってもらおうとフェイスブックを開設し、日々紹介をしていることが報告されました。
リーダーの成長が肝心~取り組み報告から
総会後、2018年度重点方針の次世代育成やパルシステムの「ほんもの実感!」くらしづくりアクションの取り組みについて、若手生産者やパルシステム職員が報告しました。
次世代リーダー研修について報告したJA津軽みらいの石澤光さんは、「自分の産地の強みや課題がよく見え、自分が地域に必要な人になることの大事さなど視野が広がりました。これまでは親世代が作ったレールの上をただ走っていたが、先代の築いた歴史を知り、さらに広げ、それを次に伝えることで、より強いレールにしていきたい」と語りました。
パルシステム東京三鷹センターの供給担当で商品担当2期生の橋本祐人さんは、2月に取り組んだ青果の引き売りについて「通常業務もあり大変だったが、完売でとても喜ばれた」と報告。「センターの商品担当は生産者と組合員の架け橋なので、生産者の思いや苦労の結晶を自分たちが自信を持っておすすめして、もっと多くの組合員に食べてもらいたいです」と話しました。
報告の感想としてパルシステム連合会産直部部長・江川淳は、これからの生消協を担うリーダーの資質について言及し、若い時期からの訓練の大切さを強調。そして「一般的な農業生産者の多くはその機会がないので、次世代リーダー研修などで多くの情報や意見交換を行うことは大きな意義があります」と述べました。最後に「30年の歴史には生産者の、パルシステムの産直を自らも作ってきたという自負、組合員や職員との信頼関係、熱い思いがあります。これからも若いリーダーを積極的に育て、生消協が一枚岩から厚い地層のような存在になることを期待したい」とまとめました。
※パルシステム協力会
パルシステム連合会の取引先メーカーによって自主的に組織された会。2018年3月末で324団体。品質管理、組合員交流、物流や環境など5部会の活動に基づき、組合員に信頼され、安心して利用いただく商品づくりに努めています。また、商品展示会、生協まつりなどの協賛、組合員の工場見学、商品学習会などにも積極的に尽力いただいています。