パルシステム生産者・消費者協議会 第29回通常総会“未来への種まき”を進めよう
2018年3月14日
パルシステムの産直産地の生産者と生協組合員でつくるパルシステム生産者・消費者協議会(以下生消協、296団体)は3月1日(木)、東京・千代田区の日経ホールで「第29回通常総会」を開催し、2018年度に向けた取り組みを確認しあいました。
生消協の第29回通常総会には、産直産地の生産者や生協組合員、パルシステムグループ役職員など176名が集まり、2017年度報告、および2018年度方針・予算案などを審議しました。
産直の強みが育ちつつある
開会の挨拶で大津清次代表幹事(愛媛県・無茶々園)は「2017年度、産地ビジョンは76産地に増え、次世代リーダー研修、『ほんもの実感!くらしづくりアクション』の取り組みもさらに充実し、成果も生まれ、産直運動を担う若手も育ちつつある。まさにこれが生消協やパルシステムとの産直の強みだと思っています」。また、パルシステムのジャパンSDGsアワード受賞にもふれ、持続可能な地域づくりとしての産直の役割と創造の必要性に言及しました。
来賓挨拶ではまずパルシステム連合会の石田敦史理事長が、「安心して暮らせる地域社会」を実現していくために、今後は組合員だけでなく地域住民や団体に向けても活動範囲を広げていくことを言明。またSDGsについてはお互い取り組みを進めるとともに、それが社会的に共有されるような発信を進めていかなければならないと訴えました。
次にパルシステム協力会(※)の畑山敏也会長(㈱協和)は他業種の無店舗事業参入にふれ、「生協がこだわり差別化した商品を供給することが大事です。お互いに、組合員に喜ばれる、納得して利用してもらえる商品を、どう安全・安心を維持して供給し続けるかが最大のポイントではないでしょうか」とエールを込め挨拶しました。
総会では、2017年度の報告と2018年度活動方針の2議案が賛成多数で承認されました。2018年度活動方針には、「ほんもの実感!」をさらに推進するため、SDGsへの理解を深め、生消協としての取り組み課題の模索が盛り込まれました。
「産直」に向きあうには「熱く」なければ!
総会後には、若手リーダー研修とセンター研修について、参加した若手生産者やパルシステム職員が報告しました。
JAささかみの生産者・青木等さんは、「初めてだった昨年は腹の探り合いという感じでしたが、今年はそれを通し悩みや課題、志や喜びも共有、共感でき、モチベーションをとても上げられました。これまで地元の同世代に不平不満しかなかったけれど、積極的に声をかけてみようと思います」。パルシステム東京職員の野田健さんは、「産直はありふれた言葉になっているが、グループワークでパルシステムの産直をみんなであらためて考え、『産直とは人間らしさ』であり、人と人とのつながりが見えるところが強みだと思います」。
無茶々園研修に参加したデラウエア農家のなかむら農園・仲村正也さんは、「ほんとにさまざまな方が農業や産直をよくしようと、立場もなにも度外視し考えておられる。そこにすごく熱いものを感じ、僕ちょっと冷めている人間なんですけれど、やっぱこういうふうになっていかないとだめなんだなと思わされました。大津代表が口を酸っぱくして言う“未来への種まきをすることの大切さ”を実感しました」と頼もしさを滲ませました。
「自然に利用」を目指し模索と挑戦
パルシステム東京での「ほんもの実感!同乗研修・センター学習会」の取り組みについて、練馬センターの小川典大センター長が報告。東京は2017年度から販促に頼らない利用促進を模索しています。「目先の販促は配送担当に負荷がかかり、組合員からクレームをいただくことも。“自然と利用してもらう”にはどうしたらよいかを生消協と生産者に協力いただき模索しました。今後も生産者の力を借り、組合員も生産者のみなさんにも『パルシステムでよかった』言ってもらえるよう努力していきます」と力強く結びました。
報告者のみなさん
※パルシステム協力会
パルシステム連合会の取引先メーカーによって自主的に組織された会。2018年3月末で324団体。品質管理、組合員交流、物流や環境など5部会の活動に基づき、組合員に信頼され、安心して利用いただく商品づくりに努めています。また、商品展示会、生協まつりなどの協賛、組合員の工場見学、商品学習会の協力などにも積極的に尽力いただいています。