TPP交渉差止・違憲訴訟控訴審判決  「くらしの問題」として今後も主張を継続

2018年2月15日

パルシステムが協力する「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」の控訴審判決が、1月31日(水)に言い渡されました。東京高等裁判所前には関係者、および傍聴希望者が参集し、傍聴に先立つ門前集会、またその後の報告会にも多数参加しました。

門前集会で遺憾の意を述べる山田正彦元農水大臣

訴え届かず、わずかの時間で閉廷

「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」は2015年1月に設立され、パルシステムグループも、産直産地の生産者をはじめとする関係団体と協力し活動を応援しています。

第二次提訴後、昨年11月の控訴審では、TPPが発効していないにもかかわらず、グローバル企業による公的領域への参入を促進する関連法案―種子法廃止、食品安全規制の緩和、水道法改正など―が着々と進んでいることなどを指摘し、証人申請しました。
被控訴人である政府が「1月を目処に意見を準備する」と回答したにもかかわらず、裁判長は結審を言い渡し、忌避を申し立て審議は終了。その後、“忌避申し立て却下”の通知と同時に判決期日の通告があり、当日を迎えました。判決の言い渡しに先立ち裁判所前で門前集会、言い渡し後は衆議院議員会館で報告会が行われました。

15時半からの判決言渡は、棄却として裁判長が134文字の主文を読んだだけで終了。開廷し1分もかからず閉廷しました。

今後は種子法廃止を軸に権利を主張

判決言い渡し後の報告集会で弁護団は「TPP協定で国民の権利利益が侵害されるという私たちの思いを真正面から受け止めるのであれば裁判所は尋問を行い、それでも安全だと主張するのであれば、そう判決に書いてほしかった。何の尋問も行おうとせず門前払いは司法の責務放棄だと思います」と話し、この裁判の不当性を訴えました。また具体的な事例として、4月に施行される種子法廃止法案に触れ「今後は採種・育苗農家の営業の自由や生活権、消費者の生存権や人格権と、総じて国民の権利・利益侵害が明確であることを訴えていきます」と説明すると、参加者は大きな拍手で同意しました。

池住義憲代表は「こういう結果でしたが、TPP国際条約という大規模な問題を、情報が伝わって来ないなか3年近く調べ研究・分析し、私たちの命やくらしの問題として主張し闘ってきました。これは結果いかんにかかわらず意味があったと思います。今後も国民の権利利益、くらしを守るためにひるまず進んでいきましょう」と話し、会場からは賛同の声が上がりました。

▽関連リンク
パルシステムのTPPに対する立場について

TPP交渉差止・違憲訴訟の会