次への取り組みや連携を後押し 「パルシステム熊本地震支援ファンド」中間報告会

2017年9月25日

「パルシステム熊本地震支援ファンド」の助成団体による中間報告会が、9月9日(土)、熊本県益城町交流情報センターで開催されました。

集合写真小

参加者みんなで笑いヨガ「わっはは」

「パルシステム熊本地震支援ファンド」は、組合員のみなさんから寄せられた「熊本地震緊急支援募金」総額約2億4千万円のうち2千万円を、選考のうえ熊本県で支援活動を行う14団体に助成したものです。当日は助成団体の他、ファンド事務局を担う公益財団法人共生地域創造財団スタッフ、パルシステムの組合員、役職員9名を含む38人が参加。また熊本の生協関係者やボランティア団体からも4名の参加がありました。

14団体がそれぞれ、助成金を使った取り組みの進捗状況、また悩みや課題なども報告しました。

地元の団体と地元の生協の接点に

パルシステム連合会の石田敦史理事長が開会のあいさつを行い「今回初めて、災害支援のファンドを創設し、個々の団体に助成しました。地元の方々による地域住民のための活動を助成するもので、パルシステムがその一助になれたらうれしいです」と前置きし、以下続けました。「募集や選定も、東京で私たちが行うのでなく、地元の団体にご協力いただき、必要な活動に取り組む熱意ある団体を選べたことは、大変価値があると思います。また本日は地元熊本の生協の方々にもご参加いただきました。新しい取り組み、継続につながればと思っています」。

続いて、特定非営利活動法人熊本災害ボランティア団体ネットワークの樋口務代表が、「みなさんの活動を知りたいと思い参加しました。現在熊本では、117団体が支援活動を行っていますが、パルシステムの事例を通して、私たちも最後までの支援の決意をあらたにしたところです」と述べました。

 熊本の生協関係者やボランティア団体のみなさん

熊本の生協関係者やボランティア団体のみなさん

「みなし仮設」の支援やマンパワー不足が浮き彫りに

その後、14団体が活動状況を報告し、パルシステムからは2名ずつが質問を行いました。各団体は事前に、今回助成を受けた中間支援団体「くらしづくりネットワーク北芝」からプレゼンの手ほどきを受けたとあって、5分という短い時間ながらポイントを押さえわかりやすく報告がありました。

どの団体も指摘していた課題として、“みなし仮設”の住民支援がありました。“みなし仮設”は県内に広く点在し、行き先も個人情報保護法の関係で把握できないため、支援の手が届かなくなることを懸念しています。対応の一つとして「つながるカフェ」を毎月開催はしているものの、周知にはほど遠いようです。くらしづくりネットワーク北芝は、団体同士のつながりや連携がなかなか進まないと感じています。「活動のなかで“いっしょにやりませんか”という動きが生まれてほしい。団体同士をうまく“つなぎきる”ことが私たちの課題です」と北芝の松村さんは語りました。

参加した組合員からは、アレルギー加工品の提供についてパルシステム神奈川ゆめコープの事例を挙げ「将来的にお店を開いてはどうか」などの提案も見られました。災害時の発達障がい者の状況収集に取り組む団体には、「地味だと思われる活動でも、足元の一歩、半歩ずつでも広げていくことがとても大切と思います。仲間がいると確信して進めていただきたい」と応援しました。

質問する組合員

質問する組合員

14団体の活動と“たすけあい”の力を結び、熊本を甦らせよう

各団体の熱意ある報告のあと、パルシステム千葉の佐々木博子理事長が本会を総括しました。

「行政の手が届きにくいところにも、助成金がきめ細かく一人ひとりに寄り添った使われ方をしていることがわかり、ファンドにした目的が果たされつつあると感じました。今日は情報共有や活動の参考、連携のきっかけになるのではないでしょうか。不死鳥は火のなかから甦ると言いますが、熊本は火の国。炎のなかから新しい熊本を作り上げるひとつのきっかけとして、みなさんの力と生協の本質であるたすけあいの力を結集し、いっしょに歩んで行きたいと思います」。

最後に熊本県生活協同組合連合会の吉永章会長が、「パルシステムは“生協はたすけあいの組織”であることを、ここ熊本の地で実践しました。実はそれに触発され、この前の九州北部豪雨で私たちは、即座に被災地支援に動きました。今日はたくさんの団体とつながりを作っていただき感謝します」とあいさつし、閉会しました。来年4月には最終報告会が予定されています。

 

▽中間報告会に参加した団体はこちら

「熊本地震緊急支援募金」の一部を地元支援団体へ贈呈 被災のりこえ「未来をつくる」|2017年4月12日

これまでの災害支援活動はこちら(パルシステムの災害支援活動)