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緊急拡大学習会「TPP協定で日本はどう変わるか」開催  くらしに及ぼす影響を協定文から読み解く

2016年9月22日

パルシステム連合会は9月16日(火)、東京・新宿区の東新宿本部で学習会「TPP協定で日本はどう変わるか」を開催しました。

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TPP協定が批准されるとどうなる?

TPP(環太平洋連携協定)をめぐって、日本政府は年内を視野に、早期発効を目指す考えを示しています。昨年10月にTPPの大筋合意をした後、協定文の「暫定仮訳」を公開していますが、膨大な量の関連文書すべてが公開・翻訳されているわけではありません。パルシステムではTPPの全体像を十分に把握し、私たちのくらしや日本社会にかかわる問題や懸念について精査したいと、国会議員や市民団体と連携し問題提起を続けています。

9月16日(火)開催した緊急拡大学習会は、弁護士で元農林水産大臣の山田正彦氏を招き、TPP大筋合意後の国内外の政治的な動きや、実際に批准した場合に想定される影響について学びました。パルシステムグループの役職員や関係者など約100名の参加がありました。

薬価の高騰や表示規制の懸念も

dscn7552山田氏は「医療が最も影響を受けるのではないか」との見解を示しました。TPPが施行されると外資製薬会社が日本国内の価格決定に介入し、日本政府に対し不服申し立てが出来るようにもなるため、薬価が数倍に膨らみ、ジェネリック医薬品が作れなくなる可能性があると指摘しました。「裁判は数十年に及ぶ場合もあります。その間は、外資企業が申し立てた価格で販売するルールになっているのです」。
また、遺伝子組換え食品が大量に流通し、消費者の「選ぶ権利」を保障する表示についても「平等な競争を妨げるものとして許されなくなる」危険性があるとしました。表示については、牛肉・豚肉などの国産表示、野菜・果物などの産地表示もできなくなる可能性が高いといいます。「条文上では、日本の農産物は7年後の再交渉で関税が撤廃されるようになっています。除外される品目などないことも、日本政府は認めています。漁業についても影響は深刻で、まき網や定置網といった沿岸漁業の権利についても開放され、外資企業を含む入札制となり、海が地域と断絶することで荒れてしまうのではないか」と懸念しました。

質疑応答では、TPPの特徴的な制度であるISDS条項の強制力について「たった3人の弁護士が一審のみ、非公開で決定します。その結果は日本の最高裁判所より優先されるのです。たとえば日本政府が許可しない副作用のひどいワクチンが“日本政府によって不当に流通を止められている”と外資企業に訴えられ、流通を認可せざるを得ないといったケースも想定されます。これは日本の“司法試験の意味がなくなる”ということであり、民主主義の危機だと私は考えています」と語りました。

●ISDS条項とは
外国の投資家が投資した相手国側の措置によって損害を破った場合に、救済を求めて仲裁手続きを利用することができる制度。相手国の司法権を侵害し、規制を萎縮させる危険性も指摘されている。

パルシステムのTPPに対する立場について