パルシステム連合会八王子センターに新システムを導入 人手不足解消へ 自動化で40%省人化

2017年6月20日

労働力不足が社会問題となるなか、パルシステム連合会はこのたび、物流機能を担う八王子センターにて新たな仕分けシステムを導入しました。最大260%の人時生産性向上を実現し、人手不足の解消を図ります。

八王子センター外観

八王子センター外観

人時生産性は最大260%向上

八王子センター(東京都八王子市)に設置された新システムは、常温管理される商品群が対象で、比較的注文数の少ない日用雑貨や離乳食など1,400アイテム(SKU)を仕分けます。中長期的な利用組合員数ならびに取り扱いアイテム数の増加に対応することなどを目的に導入しました。

仕分けられた商品は、パルシステムの全エリア(11都県)へ届けられます。現在、1日あたり2万世帯、2万5千点の商品を処理しています。

人材確保の悩みを解消するため、新システムではこれまでと比較して大幅な自動化を実現しました。人時生産性は、既存システムに比べ150%、入荷された商品を一時保管する入庫作業に限れば260%向上したことになります。仕分け作業に必要な職員数も、これまで1時間当たり15人だったのが9人へと、40%省人化しています。

慢性的な求人難が続く物流業界

厚生労働省が5月30日(火)に発表した2017年4月の有効求人倍率は、バブル期の最高を上回り、43年ぶりの水準となりました。特に物流が含まれる「運輸業、郵便業」は、新規求人数が前年同月比で8.3%増と、区分されている11産業(農林水産業、鉱工業除く)のなかでもっとも高くなっています。

人手不足はパルシステムグループも例外ではなく、採用担当者は「求人広告を出しても、問い合わせすらないときがある」と言います。特に八王子センターと同じ常温商品の物流機能を担う杉戸センター(埼玉県杉戸町)は深刻です。新システム稼働により、杉戸センターの業務の一部が八王子センターへ移管されることとなることから、慢性的な人手不足の解消を期待しています。