作りたい、広げたい、組合員に応えたい “有機のお茶”に思いをかける3者で「産直協定」締結

2018年2月8日

パルシステム連合会は2018年1月19日(金)、お茶の製造販売会社㈱水宗園本舗(長野県安曇野市)、うまか有機銘茶会(鹿児島県南九州市)と産直協定を締結し、パルシステムの新宿事務所にて調印式を行いました。お茶単独の産地とは初の協定締結となります。

左から㈱水宗園本舗・八木社長、うまか有機銘茶会・塗木 裕一郎さん、大介さん、パルシステム連合会・渋澤常務

パルシステムの「産直」は、食と農をつなぎ、都市と農村がともに心豊かで持続的な地域社会をつくることをめざしています。産直産地とは「産直四原則」(※)に則った産直協定を結び、生産者と消費者がともに健康で安心なくらしを実現するため理解し合い、利益もリスクも分かち合える関係を築いています。

産地は古くからお茶どころとして知られる知覧町。パルシステムは2006年に有機栽培にこだわる生産者と水宗園が協働で手がけるお茶をパルシステムブランド化し、より品質や安全性にこだわったお茶を供給しています。今回の産地協定は、昨年生産者17戸が「うまか有機銘茶会」を立ち上げたのを機に、組合員交流やお茶を活用した商品開発など産直関係をさらに深めていこうと結ばれました。

調印に先立ち、パルシステム連合会の渋澤温之常務執行役員は、「昨年9月に訪問し、生産者のみなさんの有機栽培へのプライドや取り組みのすばらしさに触れ、それを組合員のみなさんに伝えたいという思いがあり、今日の締結は感慨もひとしおです。このたび「ジャパンSDGsアワード」で「ほんもの実感!くらしづくりアクション」が推進副本部長賞を受賞したのは、産直産地やメーカーさんとの提携の賜物でもあると思っています。今後いっしょに取り組みを進めていきたい」とあいさつしました。

有機のお茶作りの並々ならぬ熱意

水宗園の八木誠社長は、「有機の生産農家を探していて、『うまか有機銘茶会』の代表の一人、塗木裕一郎さんたちに出会い18年。お茶作りへの思いを共有しながら、人間としての絆も築けたと思っています。今日は、会社としても自分の人生の中でも、また『うまか有機銘茶会』のみなさんにとっても、あらたなる第一歩だと感じています」。

塗木さんは「有機栽培を始めた約20年前は、有機=品質が悪い、まずい、変わり者といったイメージのなか水宗園さんと出会い、有機をあきらめることなく信じ取り組んできました。パルシステムともつながれ、また産直協定という大きな新しい道が開かれたことを非常に感謝しています。苦労して作ったお茶が他のものと混ぜられ違う銘柄として売られることもありましたが、これからは自分たちの名前で販売でき、そして飲んでいただく消費者が見えることは、生産者として最高の喜びです」。

閉会にあたり商品開発本部の西田隆副本部長は、「今日の産直協定を機に、またあらためて商品のよさや作り手の思いを多くの組合員へ伝えていきたい。産直協定はいっしょに手を携えやっていくもので、加工品への活用や組合員の交流など、3者の協力でもっともっと広げていきたいと思います」と決意を込めました。

※パルシステムの産直四原則
1.生産者、産地が明らかであること
2.生産方法や出荷基準が明らかで生産の履歴がわかること
3.環境保全型・資源循環型農業をめざしていること
4.生産者や組合員相互の交流ができること